トニーとジョージは貧しい炭鉱夫だった。
貧乏な暮らしに業を煮やした二人は、未開の国であるロシアに移住し、働こうと決めた。
トニー:決めたはいいが、僕たちはロシアのことを何も知らない。
もしロシアがこの国よりも貧しい国だったらどうする?
ジョージは頭を捻った。
ジョージ:トニー、君には妻も子供もいる。君にとってはリスクの高い話だ。
だからまず僕がひとりでロシアへ行き、あちらの状況を手紙に書く。
君はそれで判断すればいい。
トニー:しかし悪口を書いた手紙を検問官に見られたら、君はタダでは済むまい。
ジョージ:じゃあこうしよう。僕はロシアがどんな国であろうと、ロシアを褒めて書く。
もし手紙が黒のインクで書いてあれば、ロシアは素晴らしい国だと受け止めて欲しい。
逆に赤のインクで書いてあったら、内容とはかけ離れた貧しい国という意味に取ってくれ。
ジョージはそう言うとロシアに旅立っていった。
それから3ヵ月後、トニーの元にジョージから手紙が届いた。
手紙には黒のインクでこう書いてあった。
親愛なるトニーへ
トニー!この国はとても素晴らしい!
不安な気持ちで海を渡ったが、向こうに着いてすぐ割りの良い仕事を紹介してもらい、
広くてきれいな住居も与えてもらった。この国には酒も食料もふんだんにあるし、
人々は活気に満ちあふれている!
仕事はすこぶる順調で、来月にはクルーザーを買って貸し別荘で余暇を楽しむつもりだ。
一部のマスコミが『ロシアには物資が何もない』なんて書いてるが、それは大きな間違いだ。
この国では欲しい物は何でも手に入る!
手に入らないのは赤のインクくらいのものだ。
トニーとジョージの時代にもアマゾンがあればよかったのにね。
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